副社長には内緒！〜 Secret Love 〜
「じゃあ誠、適当にドライブスルーでもするか？」
「ああ、なんでもいいよ」

「お前、もう少し食に興味持てよ」
弘樹の呆れたような言葉に、
「腹に入れば同じだろ？」

そんなやり取りを莉乃は後ろで静かに聞いていた。

（確かに。いつも食べたり食べなかったりだよな。この人って）

そんな事を莉乃が思っていると、車はファーストフードのドライブスルーに入った。
「二人とも、何か飲む？」
急に振り返った誠と目が合い、ドキッとして莉乃は慌てて香織を見た。
「じゃあ、アイスティーお願いします」
香織が先に応えると、

「莉乃は？」
誠はそのまま莉乃を見ていた。

「じゃあ……アイスコーヒーでお願いします」
動揺を隠すように、冷静を装うと莉乃は言葉を発した。

（本当に無駄にきれいな顔してるよ……この人）

なぜかドキドキする自分を悟られないように、莉乃は俯きながらチラリと前に目線を向けた。

「弘樹、アイスティーとアイスコーヒー」
誠は特に表情を変えず、弘樹に伝えると二人はメニューを見ながら注文をしていた。

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