副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「まあ、お互い友人のためだな」

「はい」
返事をした莉乃を誠はじっと見つめた。

(何……?)

その視線に落ち着かず、莉乃は前をジッとみてただ歩いていた。

「なあ、今日は外見は違うけど仕事モード?」

「香織にも話したので、一応節度を持つ必要があるのかと」
秘書モードで静かに答えた莉乃の返答に、誠は顔をしかめると、

「でも、俺は今日休日なんだ。仕事のような雰囲気を出されると仕事が抜けなし、疲れも取れないだろ?だからその外見の時は社長と秘書という関係はやめないか?」


莉乃はじっと黙っていた。

「仕事のお前が素じゃないだろ?じゃあ、普通にして。俺を疲れさせたいのか?」

その言葉は卑怯じゃない……莉乃はそう思うと誠をチラッとみてため息をついた。

「じゃあ、あなたもあの嘘くさい笑顔はやめてもらえますか?まあ、今見る限りしなさそうだけど。あなたこそいつもと別人です」

誠は驚いた表情をしたが、
「OK」
と言って笑った。

(あっ、普通に笑った。ギャップありすぎ……)

莉乃は驚いて誠の顔を見ていた事に気づいていなかった。
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