副社長には内緒!〜 Secret Love 〜

「楽しそうで良かった」
莉乃は誠が隣に来ると、ホッとした表情で二人を見つめた。


「そうだな。お前は楽しい?」
「え?」
莉乃は不意の問いにドキッとして、慌てて誠をチラリと見た。
少し不安そうな瞳に、莉乃は驚いたが、「……うん」とそれだけをなんとか答えると、
「良かった」
と誠はホッとした表情を見せた。

(優しい人……。私が楽しいかなんて気にしなくていいのに……本当の副社長は会社にいる時より優しい……この優しさを女癖が悪いって思ってたのかな……)


その後4人は昼ご飯を食べ、いくつかのアトラクションを一緒に乗った。
時間はもうすぐ17時半になろうとしていた。

「誠、夜は香織ちゃんと二人で食べて、パレードとか見たいんだけどいいか?」

「いいよ。告白でもするのか?」
誠はニヤリと笑うと弘樹に体を寄せた。

「まあ、会ったばかりだし分からないけど……次も会いたいとは思うし」
久しぶりの親友のそんな姿に誠も嬉しくなって笑顔を向けた。
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