副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
「おかえりなさい」
莉乃は役員会から戻ってきた誠にすぐに声を掛けた。
莉乃の不安げな表情を見て、誠は微笑を浮かべると手招きして自分の部屋へと戻った。
「結論から言うと、拍子抜けした」
「え?」
どうなったか心配していた莉乃は、その言葉に唖然として誠の言葉の続きを待った。
「嫌、むしろ何か企んでる?そんな感じだった。終始笑顔で俺を立ててきた。誠君はさすがだなとか言われたよ」
言葉を失った莉乃に、誠はクスリと笑みを漏らすと、
「そんなわけないと思うだろ?」
誠は机の上で手を組むと、ゆっくりと莉乃を見上げた。
「はい」
「何を企んでるんだか……食えない人だよ」
誠は呟くように言うと、ため息をついた。
「……副社長」
不意に呼びかけた莉乃に、誠も顔を上げると莉乃を見た。
「なに?」
「最近、副社長のクライアントで何か言ってきた企業とかありませんか?システムが問題があるとか、契約を考えたいとか……そんな感じの事を」
莉乃の真剣な瞳に誠もジッと考えると、「あっ!」と思い出したように声を出した。
「そういえば……松田商事がシステムが使いづらいとか、不具合がとか言ってきて……何年も使ってるのに今更?と思った覚えがあるな」
「それで、どうしました?」
「エンジニアを派遣して、報告を待ってるところだ」
誠はそれが何か?という顔を莉乃に向けた。
「副社長、松田商事の資料と、こないだお渡しした木下常務の資料を拝見してよろしいですか?」
莉乃は真っすぐな目を誠に向けた。
(この目、こないだの莉乃とも、今までの秘書の目とも違う?)
莉乃は役員会から戻ってきた誠にすぐに声を掛けた。
莉乃の不安げな表情を見て、誠は微笑を浮かべると手招きして自分の部屋へと戻った。
「結論から言うと、拍子抜けした」
「え?」
どうなったか心配していた莉乃は、その言葉に唖然として誠の言葉の続きを待った。
「嫌、むしろ何か企んでる?そんな感じだった。終始笑顔で俺を立ててきた。誠君はさすがだなとか言われたよ」
言葉を失った莉乃に、誠はクスリと笑みを漏らすと、
「そんなわけないと思うだろ?」
誠は机の上で手を組むと、ゆっくりと莉乃を見上げた。
「はい」
「何を企んでるんだか……食えない人だよ」
誠は呟くように言うと、ため息をついた。
「……副社長」
不意に呼びかけた莉乃に、誠も顔を上げると莉乃を見た。
「なに?」
「最近、副社長のクライアントで何か言ってきた企業とかありませんか?システムが問題があるとか、契約を考えたいとか……そんな感じの事を」
莉乃の真剣な瞳に誠もジッと考えると、「あっ!」と思い出したように声を出した。
「そういえば……松田商事がシステムが使いづらいとか、不具合がとか言ってきて……何年も使ってるのに今更?と思った覚えがあるな」
「それで、どうしました?」
「エンジニアを派遣して、報告を待ってるところだ」
誠はそれが何か?という顔を莉乃に向けた。
「副社長、松田商事の資料と、こないだお渡しした木下常務の資料を拝見してよろしいですか?」
莉乃は真っすぐな目を誠に向けた。
(この目、こないだの莉乃とも、今までの秘書の目とも違う?)