副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
大胆な提案?!
21時30分
「水川さん、まだかかる?」
集中しすぎていた莉乃は、誠の声でハッとして時計を見た。
「すみません!」
「謝る事はないけど大丈夫か?」
「はい」
莉乃は、すこし息を吐くと、資料とパソコンを片付け始めた。
「メシでも行くか?お腹すいたんじゃないか?」
「でも……この格好じゃ副社長に申し訳ないので」
莉乃は申し訳なさそうに肩をすくめた。
「俺は別に気にしないし、会社の近くに行けば、そんなにおかしくないだろ?俺も車だから飲めないし、ホントにメシだけ」
(1食ぐらいこの人もきちんと食べた方がいいかな。それに、最近一緒にいる事に、違和感ないよね……それに確かにお腹が空いた)
「じゃあ、行きます」
莉乃はお腹に手を当てて、少し微笑むと帰り支度をして立ち上がった。
2人は人もまばらな一階のエントランスに下りて、ビルの外に出ると莉乃は少し考えてから、髪を束ねていたネットを取り、メガネを外した。
柔らかな髪が莉乃の肩におりた。
「化粧も後でした方が……」
独り言のように呟いた莉乃に、
「別に必要ないだろ」
誠の特に変わらない表情から、莉乃はその言葉が諦めの意味なのか、本当に必要ないと思っているのか計り兼ねていた。
「え?化粧しても変わらないですか?」
少し不安げに言った莉乃に、
「あっ、悪い。秘書の水川さんも、莉乃も同じ人間だろ?俺はどっちでも良いって事」
その言葉に、莉乃はなぜか頬が熱くなり、「ありがとうございます」とだけ呟いた。
誠はそんな莉乃が動くたびに、いつもと違う髪の香りだけで少しドキッとした。
そして、現れたまっすぐな瞳を直視できなかった。
(これだけの事で動揺するなんて……。ヤバイな……)
誠は不意に視線を感じて、後ろを振り向いたが誰もおらず気のせいかと莉乃と歩き出した。
「水川さん、まだかかる?」
集中しすぎていた莉乃は、誠の声でハッとして時計を見た。
「すみません!」
「謝る事はないけど大丈夫か?」
「はい」
莉乃は、すこし息を吐くと、資料とパソコンを片付け始めた。
「メシでも行くか?お腹すいたんじゃないか?」
「でも……この格好じゃ副社長に申し訳ないので」
莉乃は申し訳なさそうに肩をすくめた。
「俺は別に気にしないし、会社の近くに行けば、そんなにおかしくないだろ?俺も車だから飲めないし、ホントにメシだけ」
(1食ぐらいこの人もきちんと食べた方がいいかな。それに、最近一緒にいる事に、違和感ないよね……それに確かにお腹が空いた)
「じゃあ、行きます」
莉乃はお腹に手を当てて、少し微笑むと帰り支度をして立ち上がった。
2人は人もまばらな一階のエントランスに下りて、ビルの外に出ると莉乃は少し考えてから、髪を束ねていたネットを取り、メガネを外した。
柔らかな髪が莉乃の肩におりた。
「化粧も後でした方が……」
独り言のように呟いた莉乃に、
「別に必要ないだろ」
誠の特に変わらない表情から、莉乃はその言葉が諦めの意味なのか、本当に必要ないと思っているのか計り兼ねていた。
「え?化粧しても変わらないですか?」
少し不安げに言った莉乃に、
「あっ、悪い。秘書の水川さんも、莉乃も同じ人間だろ?俺はどっちでも良いって事」
その言葉に、莉乃はなぜか頬が熱くなり、「ありがとうございます」とだけ呟いた。
誠はそんな莉乃が動くたびに、いつもと違う髪の香りだけで少しドキッとした。
そして、現れたまっすぐな瞳を直視できなかった。
(これだけの事で動揺するなんて……。ヤバイな……)
誠は不意に視線を感じて、後ろを振り向いたが誰もおらず気のせいかと莉乃と歩き出した。