副社長には内緒!〜 Secret Love 〜
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誠はインターホンを鳴らすとドアが開き、ひょこっと莉乃が顔を出した。
「すみません、入るだけで手間を取らせて……どうぞ」
その声に誠は「おじゃまします」と言うと玄関に足を踏み入れた。
玄関を入ると、廊下の向こうに夜景の綺麗に見える真っ白なリビングがあった。
莉乃らしい白メインに黒をうまく効かせたインテリアだなと誠は思いながら、前を歩いていた莉乃に目を向けた。
ゆるく上げられた髪、会社でも外でもみない、ゆるめの服を着た莉乃はいつもより柔らかい雰囲気がした。
ぼんやりしていたのか、
「副社長?」
探るように莉乃に聞かれ、目の前に初めから引き込まれた瞳があり慌てて思考を戻すと、コホンと咳ばらいをした。