卒業屋上より
屋上の扉を破れ。
僕達の高校は普通科、商業科、建築科、機械科まである私立の高校だった。
小さな町には四校の高校があり僕達の高校は偏差値最低でヤンキーの吹きだまりのような所だった。
僕は、高校三年間を早く終われと願いながら過ごした。
社会に出て自分自身で稼いで楽しい思いをするのだと思っていた。
僕は、ヤンキーでは無かったが素行は決して良くなくて何度も親は呼び出された。
高校時代には何度かの喧嘩もしたし無免許でバイクに乗って峠を攻めたりもした。
ヤンキーでは無かったが周りはヤンキーの一人と見てたようだ。
喧嘩もしたし煙草も吸ったし色々な悪い事を重ねたが常に何かしら足らない気持ちだった。
女の子と付き合う事でそれが充たされるならと付き合うが何も充たされず性欲だけが唯一充たされた。
学校を離れたら本を読んだり映画を観たり映画の脚本を買ってきて読んだりしていた。
僕は、当時は映画の脚本を書くか小説を書いて将来生活したかった。
お金持ちになりたいと言うより創作を仕事にしたかったのだ。
出来るアルバイトは新聞配達から建設現場の肉体労働をやった。
周りはハンバーガーショップのアルバイトをしてるのが多かったが僕は肉体労働の方が自分自身に合っていたしお金も良かった。
そうして稼いだのを本につぎ込んだ。
友達がたまに来ると僕の部屋に本が有るのに驚いた。
本が沢山有るのに驚くなんてのは大体の素性がバレるような連中だ。
そういう中でも村本光夫だけはヤンキーで有りながら理解を示して僕の本棚から面白そうなのを借りて行った。
村本の家は母子家庭で兄弟が三人居たためにアルバイトをしても本までは買うのは難しかったのだろう。
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