「ごめんね」
すれ違い

素直になれない。



「好き」って言えない。


本当は言いたいのに。
言わなきゃダメなのに。

《すみれ〜、今度はいつ会える?》


ポン♪

雑誌を見ていると、LINEの通知音が鳴った。
スマホを手にとって通知を見ると、送り主は彼氏のゆうがからだった。私は東京。ゆうがは栃木県の遠距離恋愛だ。
毎日会えるわけじゃない。だけど毎日連絡くれるし、電話もする。

前にあったのは今から2ヶ月前の連休の時。ゆうがが会いに来てくれた。

私はカレンダーをみて次の休みの予定をチェックする。

《ん 〜(~_~;) 今月末にコンテストがあって今月は会えそうにない…。ごめんね》

私は吹奏楽部でフルートをしている。楽器は得意な方だ。ピアノも5歳の時からしてるしギターも弾ける。

《そっか〜。残念。また今度な》

ゆうが…。もうずっと会ってないね。
今月…。バレンタインなのに。

「すみれーっ!ご飯よ!」
お母さんが下から読んで来たので、返事をせずに一階へ行く。

今日のご飯はマグロのパスタだ。
食べながら考える。

(私が会いに行けたらなぁ。そう言えばゆうがの好きなお菓子ってなんだろ?
去年はガトーショコラあげたし…。
そうだ、大地くんに聞いてみよっ。ゆうがと仲よかったし。)


ご飯を食べ終えて部屋に戻る。
そうだ 大地くんにも都合があると思うし…。会えるかどうかLINEで聞いてみよ。

《こんばんは!大地くん。急だけど聞きたいことがあるから明後日の土曜日会えないかなぁ?》

大地くんもゆうがもサッカー部。
ゆうがは両親の仕事の都合で引っ越してったけど…。
同じ部活仲間だし好きなお菓子、知ってるよね?

《お〜う。会えるよ。どこで待ち合わせ?》

よかった…。これで部活の練習をバレンタインまでに頑張って。休ませてもらって…。ゆうがくんに会いに行く‼︎新幹線代、高いけど。いっつもゆうがくんが会いに来てくれるし。

《ありがとう!駅前のカフェに2時に待ち合わせで大丈夫かな⁇》

《おっけ〜。》

よおっし。手作りのマフラーも編もう。
苦手だけど…。頑張れる!


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