「ごめんね」
後悔
2月12日。
あの日からゆうがとは一切連絡を取っていない。もう、私たちダメなのかな。今までこんなことなかったのに。私が素直になれないから…。ごめんねってすぐ言えないから。本当のことが言えないから。変な意地を張るから。謝りたいのに…。電話は出てくれない。LINEも見てくれない。
このままバレンタインになっちゃうのかな…。仲直りしたいな…。
ゆうがが他の女の子と付き合ったら?
やだ、そんなの。絶対。
仲直りしたいじゃなくてしなきゃ…。勇気出さなきゃ。
私は去年バレンタインにゆうがにあったのを思い出す。東京の動物園、2人で行ったなぁ。そのときに彼女さんが彼氏さんにセーター渡してるのを見て羨ましそうにしてたな...。
あっ、そうだ。
私は引き出しから毛糸と編み棒を出してセーターを編み始める。
このままなんて嫌だから。
「……ん…」
気がついたら私はベッドで寝ていた。セーターは半分くらいできていた。
「…ね、ちゃった」
いつもの癖でケータイを開くと大地くんからラインが来ていた。
《大丈夫?》
心配してくれてるんだ。ごめんなさい、巻き込んで…。
《大丈夫だよ!ありがとう。》と返してセーターの続きを編む。もう夜中の11時だ。頑張らないと、間に合わない。
明日はシュークリームを作る…。それでお母さんに新幹線のチケットを買ってもらう。
当日、渡しに行く。素直になるんだ。ごめんなさい、ゆうが。だいすきだよ…。