「ごめんね」
このままじゃ
「はい、どちら様?」
ゆうがのお母さんらしい人が出た。
「あっ…わ、私、如月すみれって言います…。ゆ、ゆうがくんいますか…?」
声が震える。ゆうがに似てる。目元が。
「あぁ!はいはい、ちょっとまって…」
お母さんの顔がパッと明るくなり私はホッとする。ゆうがのお母さんか〜。美人だったな。ちょっと明るい茶色のロング。切れ長の目にまつ毛が長い。鼻も高くて…。前髪はかきあげていてパーマもかかってる…。美人、ほんとに。
するとお母さんが家の奥から出てきて、
「ごめんなさい、ゆうがが会いたくないって…。何か、あった…の?」
お母さんが心配そうに聞いてくれる。私は泣きそうになった。だけど泣いたらダメだ…。涙をこらえながら答える。
「あ…ちょっと喧嘩しちゃって…。こ、これゆうがくんに渡してくださ……っ」涙がこらえきれなくなって目から溢れた。私は俯いて涙を隠した。
「あら、ありがとう…。渡しておくわ。」
「ありがとう…ございます…。じゃあ、これで…っ」私は走って逃げた。
ゆうが、本当に怒ってる。笑って許してくれると思ってた。ごめんなさい…。もうダメなのかな…私たち…。
私は道の真ん中で立ち止まった。足が動かない。会えると思った。笑顔が見れると思った。
「ふ…っ 」涙が後から後から出て来た。
「やだぁ…っ、ゆう、が…っ」許して、ごめんなさい。