雨の日、綺麗に咲く花は
第二章


「……酷い顔」


翌朝鏡に映った自分の顔を見て肩を落とした。
昨日あれだけ泣いたのだから腫れない方がおかしいのだけれど、

人前で泣くなんて今思うと顔から火が出る程恥ずかしい。

けれどあの時はどうしようもなくて、自分の心がぐちゃぐちゃで、流れ続ける涙を止めることが出来なかった。


何度も経験してきたことなのに、どうして慣れないんだろう。

自分の顔を鏡越しに見つめながら、心の中で問いかける。


もういっそのこと最初から全部話す?


そうすれば後から噂になることもない。

そう考えてからハッとする。

そんなことを言って雇って貰えるはずが無いのに。


「なに、考えてるんだろう…」


自分があまりにも短絡的思考過ぎて苦笑してしまう。


…駄目ね、私。
昨日のこと引きずりすぎてるみたい。
ちゃんとしなくちゃ…。


そうして頬を両手で挟み込むと、自分に喝を入れた。
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