雨の日、綺麗に咲く花は


こうしてふとしたときに夫のことを思い出しては、色んな感情に支配される。

情けない話だが、どうしようもなく彼に会いたくなるのだ。

彼に会って、彼に触れたい。
彼と喋って、彼と笑いたい。

絶対に叶わない夢を見ては、毎度打ちのめされる。

無理だと分かっているからこそ、どうしようもなく切なくて。

____涙が溢れて止まらない。

一体いつになったらこんな毎日から抜け出せるのだろう。

本当にそんなこと、できるのかな。

彼の居ないこの場所は、どこもかしこも真っ暗で、一筋の光さえも私には見えなかった。
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