僕と家族と逃げ込み家
「ねぇ、どう思う?」
ホールを片付けながら、昼間のできごとを叔父に話す。
「そりゃあ、お前が悪い!」
えっ、即答! それも悪いのは僕?
「何でだよ。恵の偏差値の心配してやったのがそんなに悪いこと?」
叔父は僕の夕飯を作ってくれている。
今夜のリクエストは肉。どんな肉料理が出てくるか楽しみだ。
「怒りのポイントはそこじゃないだろう?」
テーブルを拭いていると叔父が軽く言う。
「じゃあ、どこだって言うんだよ」
あっ、いい匂いがしてきた。
口の中にジワッと唾が溜まる。
「まっ、それは自分で考えろ。それが分からない限り子どもから昇格できない、かもな」
可笑しそうにククッと笑う叔父。
クソッ、トヨ子ちゃんの思い、絶対に教えてやらないからな!
「今夜は牛肉100パーセントのハンバーグにした。牛肉の薄切り肉を叩いて挽き肉にしたから肉肉しいぞ」
なぜか『肉肉しい』が『憎々しい』に聞える。
恵と茜の気持ちが呪いのように、僕の気持ちを後ろ向きにさせるからか?