僕と家族と逃げ込み家

「しかし、今日のあいつら雰囲気最悪だったな」
「まぁね。健太と幸助が喧嘩していたからね」

ポパイエッグを口に入れる。
ほうれん草、ベリうま！　バターと醤油の香りがググッと脳細胞を刺激する。

「で、喧嘩の原因は？」
「知らない。子ども同士の喧嘩だから。関与していない」

ライスを口に入れた途端、「知らないだと！」と突然叔父の怒号が飛んでくる。

「お前、無責任だな」

あまりの驚きに、グッとライスが喉に詰まる。

「子どもの喧嘩に親は口を出さないっていうのはセオリーだ。だが、親は口を出さないだけで、いつもその目で子どもを見守っている。お前のそれは放棄だ」

急いで水を飲む。
涙を浮かべながらギロリと叔父を睨む。

「その眼は何んだ。だから子どもだって言われるんだ。お前は『塾』の責任者だぞ。今の俺の言葉をしっかり考えろ」

そう言って叔父は無言で食事を再開する