僕と家族と逃げ込み家
「――あのね……ゴールデンウイークの話になってね。お土産を買ってくるねって言ったら、幸助が怒っちゃったんだ」
それだけで?
「当たり前でしょう!」
茜が腰に手を当て、声を荒げる。
「そういう気遣いを余計なお節介っていうの。自己中で思いやりのない親切心だわ」
「どうしてだよ! お土産だよ。貰ったら嬉しいよね、先生」
なるほど、何となく分かってきた。
僕だってお土産より、沖縄に行きたかったもん。
「健太、もし君が逆の立場だったらどうする?」
「……逆?」と健太はハテナ顔になる。
「そう、旅行に行くのが幸助で、どこにも行けないのが君だったら、どうする?」
「……えっと、羨ましい……かな」
「でしょう!」と茜がドヤ顔で大きく頷く。
「人にはヒガミ根性っていうのがあるのよ」
何だ、そのヒガミ根性って。そんな根性、知らないぞ。
「ちなみに、『ひがむ』を昔ググったら、物事を素直には受け取らずに誤解して、自分が悪く扱われていると思うこと、と書いてあったの。もろ幸助君でしょう」
茜、その言い方、お前の方が何気に酷くないか。
それだけで?
「当たり前でしょう!」
茜が腰に手を当て、声を荒げる。
「そういう気遣いを余計なお節介っていうの。自己中で思いやりのない親切心だわ」
「どうしてだよ! お土産だよ。貰ったら嬉しいよね、先生」
なるほど、何となく分かってきた。
僕だってお土産より、沖縄に行きたかったもん。
「健太、もし君が逆の立場だったらどうする?」
「……逆?」と健太はハテナ顔になる。
「そう、旅行に行くのが幸助で、どこにも行けないのが君だったら、どうする?」
「……えっと、羨ましい……かな」
「でしょう!」と茜がドヤ顔で大きく頷く。
「人にはヒガミ根性っていうのがあるのよ」
何だ、そのヒガミ根性って。そんな根性、知らないぞ。
「ちなみに、『ひがむ』を昔ググったら、物事を素直には受け取らずに誤解して、自分が悪く扱われていると思うこと、と書いてあったの。もろ幸助君でしょう」
茜、その言い方、お前の方が何気に酷くないか。