僕と家族と逃げ込み家
横目で叔父を見ながら、なら、僕もトヨ子ちゃんに『仕事頑張っていたよ』と三十パーセント増しで報告しよう。
そんなことを思いながらふと車窓を見る。
「あっ!」と目を見張ると同時に幸助が声を上げる。
「見て! あれ」
「なになに」と恵が幸助の方に身を寄せる。そして、「キャー!」と声を上げる。
「虹だわ!」
ああ、そうだ虹だ。空に大きく弧を描く七色の橋。こんなにクッキリと描かれた美しい虹を見るのは久し振りだった。
「虹はね、『多様性』『共存』『神との契約』『約束の徴』の象徴と言われているの」
プチトリビアか?
「でも、そんな小難しい言葉より……」
恵が言葉を切る。
「私には『幸福』の象徴に見えるわ」
勝気な幸助が負けずに言う。
「俺は『友情』と『希望』に見える」
「なるほど、幸助は健太と仲直りしたばかりだからな。その心のままだな。俺はそうだな『愛』だな」
そのまんまは叔父も一緒みたいだ。トヨ子ちゃんに虹の橋が架かるといいなと思っていると、「で、春太は?」と叔父が訊く。
そんなことを思いながらふと車窓を見る。
「あっ!」と目を見張ると同時に幸助が声を上げる。
「見て! あれ」
「なになに」と恵が幸助の方に身を寄せる。そして、「キャー!」と声を上げる。
「虹だわ!」
ああ、そうだ虹だ。空に大きく弧を描く七色の橋。こんなにクッキリと描かれた美しい虹を見るのは久し振りだった。
「虹はね、『多様性』『共存』『神との契約』『約束の徴』の象徴と言われているの」
プチトリビアか?
「でも、そんな小難しい言葉より……」
恵が言葉を切る。
「私には『幸福』の象徴に見えるわ」
勝気な幸助が負けずに言う。
「俺は『友情』と『希望』に見える」
「なるほど、幸助は健太と仲直りしたばかりだからな。その心のままだな。俺はそうだな『愛』だな」
そのまんまは叔父も一緒みたいだ。トヨ子ちゃんに虹の橋が架かるといいなと思っていると、「で、春太は?」と叔父が訊く。