2度目の初恋〜ハイスペック男子は再び〜

朝礼の時に新入社員の紹介が行われた。

今年の新入社員は2人。
朱莉ちゃんは元気いっぱいなタイプで、もう1人の舞ちゃんは少しおっとりめのおとなしそうな女の子。


タイプは正反対みたいだけど、すでに仲良くなってるし、良かった。

たまに、タイプが違い過ぎて、仲良くなれない子達もいるみたいで周りが気を遣ったりと、大変な年もあったみたい。

総務課はそれほど、大きくないし、営業みたいに外出することもないから、仲良くないと仕事しづらいもんね。

2人とも聞き分けもよくて、新人指導も思ったより、苦労しなそう。

うん、今年はいい感じだ、と思っていると自然と笑顔になってしまう。

上機嫌で仕事を始めていると、隣の席の一つ年下の真莉ちゃんが嬉しそうに話しかけてきた。

「その笑顔…真帆さんもやっぱり、営業部に異動してきた人のことが気になってるんですか!?
イケメンだって、聞きますもんね〜。
真帆さんもやっぱりイケメンには弱いのかぁ。」

楽しそうな笑顔で真莉ちゃんは、意味不明なことを言ってくる。

自然と困惑が顔に表れていると…

「え、営業部に異動してくるイケメンを楽しみにしてたんじゃないんですか!?」

と、真莉ちゃんも意外そうな、不思議そうな顔をしてくる。

「え、その営業部に異動してくる人って、イケメンだったの?

そもそも、異動してくる人って、さっき朝礼で後で挨拶に来るからって部長が紹介してた人のこと?

まだ挨拶にも来てないのに相変わらず、すごい情報網だね。」

と、私は素直に疑問を伝えれば、真莉ちゃんはさらに驚きを隠さずに

「え!真帆さん、知らなかったんですか?
だから、今日は女子達もいつも以上に気合入ってるんですよ!!!

ちなみに情報源は、営業補佐の子からです。
移動する前に一度、挨拶に来てたみたいで、あまりのカッコよさに営業補佐の子達も臨戦態勢なんだとか!!!」

と、興奮気味に語ってくれるから、思わず笑ってしまう。

「そーなんだ、全然知らなかった。
でも、女の子達の今日の気合の入りようは不思議だったんだよね。

これで納得できたよ!
真莉ちゃん、ありがとう。」

と、微笑みかければ、真莉ちゃんは

「真帆さんも臨戦体勢整えなくていいんですか?
ちょっと前に彼氏欲しいなぁって、言ってたじゃないですか!

それとも、社内恋愛はダメなタイプですか??」

と聞いてくるので、

「そんなことはないよ!
4年目になって、社内恋愛を楽しむ余裕も出て来たかなって今朝思ったところだし。。笑

でも、そんな人気の高い人は私には無理だよ!

営業部なら、営業補佐の可愛い子達がいっぱいいるもんね。」

と答えれば、少し残念そうに

「真帆さんはなんでそんなに消極的なのかな。

恋愛は自分が動き出さないことには何も始まらないんですからね!!」

でも、力強く恋の必勝法?も教えてくれた。

大学時代にずっと片想いしてた彼と両想いになった経験ある、真莉ちゃんの言葉だから、すごい説得力がある。

「真莉ちゃん、ありがとう。
よし、仕事始めようか!」

と、おしゃべりもそこそこにしといて、仕事を私達は始めることにした。




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