私のご主人様Ⅲ
「葉月さんなにか知ってる?」
「フルフル」
「そっかぁ。あ、そう言えば葉月さん。私のこと華って呼んでくれる?名前で呼ばれるの嫌なんだ」
「コク」
リーダーさん改め、華さんは笑って、書き終えたメニュー表を集めて揃えた。
「琴って呼んでいい?」
「コク」
「よろしくね。…琴が隣になんか落ち着くんだ。もっと早く声かければよかったなぁ」
「?」
華さんの言葉に首をかしげながら、次なる仕事に手をつける。
接客班が滞っているせいでこっちまで内装の準備をするはめになってしまった。主に今もケンカしてる人たちのせいなんだけど…。
高崎さんが厨房班に入りたいと言うわけもなく、少しもめながら接客班に入ったものの、毎日ケンカばかりしている。
季龍さんはというと、人数的には厨房班だけど、接客班に入れたいと言う声が止まず、接客班に入れられた。
本人の意志を確認したわけではないけれど、拒否権はなさそうだった。
でもまぁ、決まったからと言って季龍は休んでいて、文化祭の準備に参加はしていませんが…。