私のご主人様Ⅲ

むしろ参加したら、今以上に厄介なことになりそう。

そんなことを思いながら華さんと提灯を作り始める。

ペーパークラフトなんかやったことないからよく分からないけど…。華さんが作るのを見よう見まねでやってみた。

「葉月さん、それ違う」

「?」

「こっち切って。そこは折り目だけ」

突然声をかけてきた麻夏くんは、すぐ隣で指示を出してくれる。その通りに作ると、多少不格好だけど華さんと同じのが出来た。

おお。初めてにしてはきれいな方なのでは??

出来たものを掲げて眺めていると、麻夏くんに頭をぽんっと撫でられた。

「結城くん、琴のこと気に入ったんだね~。前は私にしか話かけてこなかったのに」

「葉月さんの方が頭いいし、分かりやすい」

「分かりにくくて悪かったわね!!」

華さんと麻夏くんは仲良しだったのかな?自然なやり取りをする2人を見たことはなかったから違和感はあるけど、前に話してたなら納得できる。

思わず笑ってしまうと、2人から笑うなと怒られてしまった。
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