私のご主人様Ⅲ

「ちょっと待て」

殿を勤めていた男の声で足は止まる。

彼が凝視しているのは先程撃たれた源之助さんの布団だ。

「…なんで、血が出ねぇ」

…。

舛田は訝しげに眉を潜めたが、次の瞬間、はっとした顔で私を離して部屋の中央の布団に歩み寄る。

そして、布団を鷲掴みにして、布団を剥いだ。

「っ!!どういうことだっ!!!」

出てきたのは、布団の塊。…いや、多分顔の位置に何かある。張り紙だろうか。

舛田は苛立ちを押さえようともせず、布団を蹴り飛ばす。

そして、次に狙いを向けられたのは私だ。

「てめぇ!どういうことだこれは!!!」

ドスドスと大股で歩み寄ってくる舛田。そして、伸ばしてくる手。

「琴音!」

なんて…。

「ここちゃんっ!」

なんと言う…。
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