私のご主人様Ⅲ
「って、結城くんは仕事終わってるんでしょうね?」
「終わった」
「ならいいけど…。はぁ。接客班、いい加減にしてくれないかな。いい迷惑」
華さんはため息混じりに手に持っている飾り付けを見る。
確かに接客班の仕事を回されたせいで男手が取られてしまったり、現に私と華さんが厨房から離れる事態になってしまっている。
そのせいで当日調理をしなければいけないのに、作り方の確認が全く出来ていない。
とりあえずまだ試しが多いからいいものの、本番が近くなったらこの状況は死活問題になってしまう。
未だ対峙し続けている高崎さんたちにため息をつかずにはいられなかった。