私のご主人様Ⅲ

「…そいつに話してねぇ情報もある」

「はぁ?そんなこと…。お前、ここちゃんに私用のスマホ貸してたろ。あれ、ハッキングしてあるんだよね」

ニヤリと笑う信洋さんに舛田はもう驚かない。

ただ分からないことを聞いて自分の中で解決するためだけに質問を投げているようだ。

「夕飯のあと、全員眠った…」

「演技力、すごいでしょ。うち」

舛田は目を閉じ、大きくため息をつく。

「意味わかんねぇ…っくそが」

結果的に勝ち残ったのは永塚組。

それが全てだ。

敗者となった舛田にこれ以上反撃の余地はない。

他の組員の人たちが部屋に入ってくる。そして、舛田たちを拘束してどこかへ連れていこうとしていた。

「奏多、暁。頼む」

視界が反転し、奏多さんと暁くんの方へ押し出される。

暁くんに受け止められ、振り返った先には奏多さんが立っていて、視界を塞がれる。
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