私のご主人様Ⅲ
「琴音ちゃん、部屋に戻って休もう。後は若たちが処理するから」
「お前は全部忘れろ。いいな」
2人の顔は必死で、この場から早く私を遠ざけたいんだって分かる。それに、季龍さんたちもまだ大きな動きをしないのは私がいるせいだ。
動かなきゃ。分かってる。ここにいたら邪魔になる。
…でも、何でだろう。足が動かない。体が重くて、頭がくらくらする。
暁くんの服にしがみつくので精一杯だ。
「…琴音?どうした」
「…」
返事をしたいのに、顔を上げることすら出来ない。
そのうち目蓋すら落ちてきて、それに逆らえない。
「琴音ッ!!おい、琴音!?」
「琴音ちゃん、しっかり!!」
声が聞こえる。でも、動けない…。
そのうち視界は真っ黒になって、聞こえていた声もやがて消えてしまった。