私のご主人様Ⅲ
「…ぁ」
「琴音?」
不意に聞こえたかすれた声に視線を戻すと、起きたらしい琴音が訳のわかってねぇ顔で俺を見る。
とりあえず近づくと、頭を撫でてやる。
「全部終わった。怪我人もいない。だから、ちゃんと休め。風邪引いた奴台所に入れねぇから」
「…コク」
終わってはいないけど、琴音を安心させるためにはつかなきゃいけない嘘だ。案の定琴音は簡単に頷いてホッとした顔を見せる。
早く寝ろと言いながら頭や頬を撫でていると、不意に目を閉じて寝た。
その後、奏多さんも戻ってきて、布団を持ち込んで寝た。