私のご主人様Ⅲ
「若たちは夜中のうちにカチコミに行った。時期に戻ってくる」
「っカチコミ!?そんなこと何も…」
「若も伝えようとしたが、お前たちを起こす前に嬢さんが起きたらしい」
「琴音が…ですか?」
俺たちが起きる前に起きた?
ならなんで手繋いだままだったんだ?それに、お前たちってことは奏多さんも起きなかったってことだろう。
俺も奏多さんも気を張って寝ていたはず。それなのに琴音が先に気づいて起きた挙げ句、俺も奏多さんも気づかなかったなんて、正直信じられねぇ。
「今屋敷にいるのは、俺たちと田部さん、お嬢と嬢さん、頭だけだ」
「っは!?それって…」
「実質戦えんのは俺とお前だけだ。奏多はまだ本調子じゃない」
いくらなんでも手薄すぎる。
それだけ相手がでかい組だとしても、こんな作戦今まで聞いたことがない。
思っていた以上に危ない橋を渡る若たちにゾッとせずにはいられなかった。
…いや、そんなこと思ってる場合じゃない。今は与えられた役目をこなすのが最優先だ。