私のご主人様Ⅲ
「若たちが戻ったら飯の支度をすればいいそうだ。俺も手伝う」
「…ありがとうございます」
突然の申し出に間が抜けそうになったのを必死に堪える。
青海さん、まともに話したことねぇけど、料理できんのか…。意外だと思ったのは秘密にして、話はそこで切り上げた。
戦力が1ヶ所に固まるのはよくない。
すぐに着替え、琴音の部屋に戻る。
部屋に入ると、さっきまでいた奏多さんの代わりにお嬢がいて、思わず目を疑う。
「え?」
「ちょっ!?暁ノックくらいしてよね!着替え途中だったらどうすんの!?」
いきなり怒鳴られた。琴音をみれば、ぼんやりした顔で座ってるが、確かにさっきまで着てた単ではなくて、多分奏多さんのスウェットを着せられてた。
確かに看病するのにスウェットの方が何かと都合はいいけど…。聞いてねぇぞ奏多さん…!
変態呼ばわりされなくて良かったと心から安堵した。