私のご主人様Ⅲ

「大変だったんだぜ~若ぶちギレてよ~。相手の組長殺しかけるから、無理矢理引き剥がして、帰りかけの女たち集めて店にぽいっと…」

「は?」

…なんだ。女って彼女かと思った…。

思わず気が抜けるけど、奏多さんに肩を捕まれて引っ張られる。

「どう…」

「しっ!巻き込まれたくないだろ?」

は?

訳がわからないまま、奏多さんに問答無用に引きずられていく。

その間にも信洋さんは離れていく俺たちに気付かずに若に対する愚痴を吐き続ける。

なんか、俺たち以外の人も奏多さんが俺をつれていくように何人かがその場にいる人を連れて離れていく。

「なんすか」

「あー。ここから見る?」

説明が面倒なのか、角で玄関先からは死角になって見えない場所で足を止めて、覗き見をするように息を潜めた。

暁side end
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