私のご主人様Ⅲ
「っお兄ちゃん!?」
「若?」
襖を開けた瞬間刺さった視線は3つ。
驚いた梨々香に不思議そうな顔をした奏多、暁。…なんで梨々香までいるんだ?
「お兄ちゃん、寝なくて大丈夫なの?」
「…いや、寝る…」
「琴音ちゃんに何か?」
「…い、いや」
咄嗟に否定したところで失言に気づく。…いや、琴音に何の用だと聞かれても、困るが…。
「俺たちですか?仕事でも?」
「違う…」
なんで否定したんだ俺は…。
奏多たちの視線まで疑わしいものになる。…出直すか。
「っあ、ことねぇダメだよっ!」
「…ん」
さっきまで寝ていたはずの琴音が身を起こすなり俺に手を伸ばす。
梨々香に押さえられても寝ようとしないで俺に視線を向け続ける。