私のご主人様Ⅲ
「約束は果たした。お前もとっとと治せ」
「…ん、き、りゅ…さん」
「今度はなんだ」
「…」
俺をじっと見上げていた琴音が不意に顔を伏せる。…ともたれ掛かってきた。
あ?
「…寝るのか」
目閉じて寝てやがる。やっぱり無理してんだろうがこいつは…。
まぁ、とにかく昨日よりはましか。
布団に琴音を寝かせ、立ち上がる。
そこで突き刺さっていた3人分の視線にようやく気づく。信じられないと言わんばかりの視線が妙にいらつく。
「梨々香、頭の貼り変えてやれ」
「…う、うん」
「奏多、暁。頼んだ」
「「はい」」
梨々香が呆けているうちに早口に指示して立ち上がり、部屋を出る。
らしくねぇことは俺自身が1番よく分かってる。このところずっと、琴音のことで振り回される。