私のご主人様Ⅲ

奏多side

…な、なんだったんだ今の若。

琴音ちゃんを落ち着かせるためにわざわざ来たってことだよな…?

いつもならあり得ない。それに、約束ってなんだ?琴音ちゃんは若に何を約束させたんだ?

訳がわからなくて混乱するのは暁も同じようで、信じられないと言うような目で若が出てった廊下を見つめていた。

「…っきたぁあああ!!!」

「っ!?」

「っお、お嬢?」

今度はなんだっ!?

急に奇声を上げたお嬢は目を輝かせてガッツポーズを決めている。ついでに琴音ちゃんはすやすや寝たままだ。

「お嬢、もうちょっと静かに…」

「あっと……でもでもっお兄ちゃんに春の予感!!」

「はぁ?」

「お嬢楽しそうだね~」

「っ信洋さん!?」

いつの間にかいた信洋さんも、なんか楽しげだ。

暁は意味がわからないと言わんばかりにお嬢と信洋さんを交互に見ていた。
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