私のご主人様Ⅲ
「やっぱ、信洋もそう思うんだよね!?」
「当たり前だよ、お嬢。若、見事に振り回されちゃってさ~」
「ことねぇがお姉ちゃん…きゃぁぁああ」
「あの、俺たちにも説明してくれません?」
2人で盛り上がるところに口を挟むけど、お嬢は何かを妄想して聞こえてないようで、信洋さんだけがニヤリと口角を上げる。
「何が聞きたい?」
「…とりあえず、約束って?」
「あぁ。昨日の夜、ここちゃん起きちゃった話はしただろ?そん時に、ここちゃん若にしがみついて離れねぇの。そしたら若、絶対に怪我しないって約束してよ~。よーやくここちゃん離れて、若が寝かしつけたってわけ」
信洋さんはおかしくて仕方がないと言うように、思い出し笑いをしながら説明してくれる。
琴音ちゃん、なんか察したんだろうな…。自分だって大怪我してるのに、こんな状態でも若のこと心配してたんだ。
一時は破綻しかけた関係だっただけにどうなるかと思ったけど、うまく繋ぎ直せたようでほっとした。