私のご主人様Ⅲ

「なんでお嬢は発狂してるんすか」

次に口を開いたのは暁で、その言葉を聞いた信洋さんの顔がにんまりと気持ち悪い笑みを浮かべる。

思わず引いたのはそれぐらい、気持ち悪い笑みだったからだ。

「若、やぁっと気づきそうだなぁと思って」

「はい?」

「え?…っまさか“琴音さん”って…きゃぁぁああ!!」

「お嬢、うるさい」

また発狂するお嬢に思わず耳を塞ぐ。

ここに病人がいること忘れてないか…?

「あの、訳がわからないんですが」

「まぁ、若も男の子ってわけだ。な~お嬢、一押ししたくね?」

「したいしたい!!あ、お父さんに協力してもらおうよ!お父さんも知ってるんだよ~」

「いいけど、それはお嬢がお願いしてね?」

なんか話が大きくなっていくような…。

チラッと見た琴音ちゃんは眠っていて、絶対何かに巻き込まれることが確定してる琴音ちゃんが無事であることを祈るしかなかった。

奏多side end
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