私のご主人様Ⅲ
17.落とされた疑念
戻った日常
「琴音、無理すんなよ」
「だい………じょぶ……」
「本当?まだ休んでてもいいんだよ?」
「フルフル」
さっきからずっと同じことを繰り返し言ってる2人に流石に苦笑する。
舛田組が攻めてきた夜から1週間。
ようやく熱が下がって、身体中にあった痣も何とか引き始め、動けるようになった。
そんなわけで1週間寝込んでしまったせいですっかり機能停止した家事たちを復活させます。させてやりますとも!
そんなわけで意気込む私とは対照に、奏多さんも暁くんも心配性で、何度もまだ寝てろ、無理するなと耳にこびりつきそうなくらい言われていた。
まぁそのせいで朝は作らせてもらえなかったんだけど…。
今はたんまりと溜まった洗濯物を順に洗濯機に放り込み、干しに行くと言う作業を開始したところ。早速洗濯が終わった第一陣を持ってお庭に向かってる最中です。
「あ、ことねぇ!!」
駆け寄ってきてくれたのは梨々香ちゃんで、心配そうな顔を向けられる。
私が寝込んでいた1週間、ほぼ付きっきりで看病してくれていたらしい。
…というのも、正直に言えば3日くらい前からの記憶しかなく、それ以前はよく覚えてない。
それでも、迷惑を掛けていたのは分かりきっていることだから何かお礼をしなきゃ…。