私のご主人様Ⅲ

「っうお!?…またやってんのか」

あれ、騒ぎすぎたかな?お部屋から顔を出した平沢さんに驚かれながら勝負は続行。

障害物なくするする進む雑巾掛けはなんだか気持ちいい。さくさく進んでいく。

「はい琴音さんの勝ち」

「“やった!”」

「アホだろ」

「琴音ちゃんよかったね」

そして大差でゴール!両手をあげて万歳していると、ガラガラと玄関のドアが開く。

…あ、あれ?

いつかと同じようにちょうど帰ってきた季龍さんとバッチリ視線が重なる。そういえば、お昼終わったら信洋さんと出かけて行ったんだったっけ?

「若、おかえりなさいませ」

「「おかえりなさいませ」」

すぐに居ずまいを正して季龍さんに頭を下げる森末さんにならって、奏多さんと暁くんも頭を下げる。

…私も、あげていた両手を床につき、深々と頭を下げた。

もう嫌だ。お庭に埋めてください。それがダメなら海でも山でも捨ててください。

恥ずかしすぎて死ねそうです。
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