私のご主人様Ⅲ
早くしないと終わらないと言う暁くんに怒られながら夕食を作り、大広間に行くと既に待ってくれていた人が多くて思わずびくりとする。
「おぉ、もう出来たんか」
「早かったなぁ琴音ちゃん」
気を使ってか、笑顔を浮かべてそう言ってくれる幹部のみなさんに頭を下げる。
その頭を平沢さんに撫でられ、顔を上げさせられる。
「ほら、配膳ぐらい俺らでやるぞ」
「そうだなぁ」
「琴音ちゃんの手料理食えんと力出ないもんな」
平沢さんの号令で次々に立ち上がる幹部さんたち。もちろん若い人たちも飛び上がって一緒に手伝ってくれた。
「あ、り……が……………とぅ…………」
「ん?お礼を言うのは俺たちだぞ?いつもありがとな」
平沢さんの服を引っ張って何とか声を出すと、ニヤリと笑ってまた頭を撫でられる。
…なんだろう。お父さんとは全然違うのに、なんかお父さんみたい…。
目を閉じて頭を撫でられていると、ポンポンと肩を叩いてくれる。それがなんだが心地よかった。