私のご主人様Ⅲ
あぁ、忘れてたけど学校ってこんな風だったっけ。
なんとも言えない気持ちになりながらも文化祭の最終準備に終れる校内を進み、人や物を避けながらようやく教室にたどり着いた。
「「「「きゃぁぁあああ!?」」」」
季龍さんが教室に足を踏み入れた途端上がった歓声。続けて入った私に気づいていないのか、すっかり浮かれた様子で騒いでいた。
呆然としていると、横から強い衝撃に襲われて思わずうめき声が口から飛び出した。
「琴音ちゃん!」
「よかった!いきなり休みはじめたから心配してたんだよー!」
抱き付いてきたのは麻琴さんと華さんで、ぎゅうぎゅうと容赦なく抱き締めてくるもんだから頭がくらくらする。
解放されると、いつの間にか厨房班の人たちに取り囲まれていて、口々に心配する声や安心したような声をかけられた。
その時、じんわりと心を包んだのは温かい感情で、少しだけ目頭が熱くなった。
「琴が来てくれて助かった!これ着て!」
「?」
再会の感動はそこそこに、差し出された浴衣に首をかしげる。
浴衣を着るのは接客班だけじゃなかったっけ…?それは間違ってないのか、厨房班の誰も浴衣を着ている子はいなかった。
いや、接客班もまだ誰も着替えてないらしい。