私のご主人様Ⅲ

それを何度か繰り返しているうちに、いつの間にか季龍さんが上半身に何も着ていないことに気づいて飛び上がりかける。

慌てて背後に回り浴衣を広げると季龍さんは怪訝な顔をして振り返った。

「ズボン脱いでねぇ」

「ッ!?アワアワ…」

季龍さん大胆すぎです。

とにかく着てくださいと言わんばかりに浴衣を広げていると、フッと鼻で笑われる。

袖を通してもらってから、また正面に戻る。その間にズボンを脱いだ季龍さんを見ないようにしながら、ズボンを畳むと急いで前を閉じる。

帯を回し、縛ると季龍さんを見上げる。

「上手いな」

「ッ…」

「「「「「っきゃぁぁああああ!!!」」」」」

頭を撫でられた瞬間、轟く悲鳴。…1人にならないように気を付けよう。コロサレル。

思わずブルッと体を震わせると季龍さんに不思議そうな顔をされた。
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