私のご主人様Ⅲ

騒ぎにはなったけど、彼女たちが近づいてくるよりも早く文化祭の開始10分前が放送で告げられ、慌てて教室のセッティングが行われた。

そして、それが終わると今度は私と季龍さんの休憩の時間の割り振り決めになる。

「琴、ラスト手前まで入ってくれない?」

「コク」

「ありがとう。お願いね」

私の方は実にあっさり決まったけれど、季龍さんの休憩時間は、本人がいないところでまたまた口論になってた。

「最後の時間に休憩してもらおうよー」

「そんな連続じゃ、季龍くん疲れちゃうでしょ!?よかったー!!2番目の時間よっ!」

「そんなはじめの方じゃ、後半きついし~やっぱ3番目でしょ!」

みんな口々にいろいろ理由をつけて自分と同じ休憩時間にしようと躍起になってる。

そんな言い争いに終止符がつくはずもない。また時間だけが過ぎていく中、無情にも文化祭開始のアナウンスが流れてしまった。

「いっそのこと最初に休憩してもらうとかわ~?」

開始だって言われてるのにまだやってる。

思わずため息をつき、値段の確認をしていると、足音が聞こえた気がして顔をあげる。

「葉月さん、どうしたの?」

「…?」

さりげなく近くに来てくれた麻夏くんは、足音に気づいたのか閉じたままのドアを見つめる。

だんだんと近づいてきてるらしい足音は、まるで地響きのようで効果音で表すならッドドドドドドド―!!という感じだ。
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