私のご主人様Ⅲ
「私トロピカルジュース!」
「じゃあ私はお好み焼き!」
誰かが注文したのを皮切りに、あちこちのテーブルから注文が飛ぶ。
これには季龍さんの休憩時間で口論していた接客班も動かないわけにはいかず、一斉に注文を取りに走る。
その様子を呆然と見つめていると、華さんに紙とペンを渡された。
「琴、15分のことと1人1品注文書いて貼り出しといて。あとで文句言われたら面倒」
「コク」
「あと、レジ最後混雑しそうだし、席回って回収してもいいから。結城くん、リードよろしく」
「はいはい」
華さんは指示を終えると素早く厨房班の方へ戻っていった。
とりあえず手始めに張り紙を作って、ドアの外に貼りに行く。
「ねぇ!いつ入れんのよ!」
「ドアくらい開けてよっ!」
「ッ!?」
ドアを開けたとほぼ同時に並んでいたらしい女子に捕まる。お、鬼だ…。
思わず青ざめながら、ガラスになってるところに貼り紙を貼って、そっちに気をとられてる隙に大急ぎで教室の中に戻る。
もちろんドアは閉めた。