私のご主人様Ⅲ
なにやってるんだ。
ダメだ。こんなんじゃ、ダメだ。
主にそんなこと思わせる使用人じゃ…。
捨てられる。あの闇に戻される。あの狂った場所に、売られてしまう。
もう、私に価値なんか、ないんだ。
どこで間違えたんだろう。どこで、季龍さんを失墜させたんだろう。
私は、なんで…。
「……………………………………………………」
遠くから音が聞こえる。
でも、何を言われているのかさっぱり分からない。
「ッ……………!!!」
「………………!!」
「…………っ!!…………!!」
ワカラナイ。ナニモ、ワカリタクナイ…。
暗くなっていく視界。目の前で何かを叫ぶ誰かの顔。その輪郭はぼやけて黒く染まっていった。