私のご主人様Ⅲ
「初めに言いましたよね。15分で出てってもらうって。それ、皿ごと持っていっていいんで、早く出てください」
そして、華さんの前で先輩たちのわがままなど通用しない。
「ありがとうございました~」
「次のお客さん待ってるんで早く出てくださ~い」
そこに便乗するように接客班も出るのを渋る先輩を追い出しにかかる。
結果的に客は全員追い出され、手早く机が片付けられるとドアを開け、待っていたお客さんを通す。
注文をとる前にあらかじめ15分ルールと1人1品を説明し、タイマーが動き出す。
そんな華さんの機転もあり、大きなトラブルは起きることなく文化祭は順調に進む。
私も麻夏くんがついてくれているおかげで不自由なくレジ係をこなした。
そして季龍さんは教室の隅で窓の外を見つめたまま。そこから動くことすらない。
そんな季龍さんの見物人で教室は埋まってしまうから、お客さんは女子ばっかりだった。