私のご主人様Ⅲ
鎖
目が覚めたら、いつもの部屋で寝かされていた。
いつもと違うのは、奏多さんと暁くんが壁に背を預けて座ったまま寝ていたこと。
身を起こし、奏多さんと暁くんに布団を掛ける。そばにいてくれたのかな…。
昨日、季龍さんと話していた途中からの記憶がない。倒れたんだっけ…?
思い出そうとしても、出来ないことに諦めて、身支度を整えてから部屋を出る。まだ寝静まった屋敷。静かな廊下を歩き台所に入った。
「…」
ご飯、作らなきゃ。
いつも通り、作り始める。作りながらコーヒーを淹れて、だんだんと明るくなっていく空を少しだけ見つめた。
「ッ琴音ちゃん!」
「?」
「バカッ!勝手にいなくなるんじゃねぇよ!!」
ドタバタと賑やかな足音ともに開け放たれたドア。
台所に入ってきた奏多さんと暁くんは、寝ていたときの格好のままで、私の姿を見るなり深く息をついた。