私のご主人様Ⅲ
制服に着替え終わり、部屋を出る。その瞬間、目の前に季龍さんがいて、固まった。
「…」
「…」
お互いに動けないまま、見つめ合った状態で制止する。
しばらくして、我に返り頭を下げる。
季龍さん、制服ってことは学校行くんだ…。久しぶりのことに少しばかり戸惑いつつも、顔をあげて季龍さんを見上げる。
「…平気なのか」
「…?」
首をかしげると、手を引かれて歩き出す。奏多さんや暁くんたちに見送られ、車に乗り込むと伸洋さんがいて、久しぶりのことにおかしな気持ちになった。
「ここちゃん、大丈夫?」
「コク」
「…ならいいけど」
信洋さんにまで心配されてしまう。
車は動き出して、季龍さんの手で視界は塞がれる。
今までと同じ。なのに、アイマスクに慣れてしまったせいか、少しだけ緊張してしまった。