私のご主人様Ⅲ
それを見送り、後に残された俺にどうするかと指示を求められる。
信洋も、奏多も、その顔に納得したものはない。むしろまだ痛め付けたりないとその目が訴えてきていた。
「…捨ててこい」
「…ッチ」
下した判断に、信洋は明らかに不満な様子を見せる。だが、それに逆らうことなく立ち上がり、ビンの口を閉じた。
それを合図に奏多もまた、奴の上から退き、立ち上がる。
代わりに部屋に入ってきた森末たちが奴を起こし、立ち上がらせた。
「あ、捨てる前に、服剥ぎ取っといてよ?これぐらいで済んだなら、それぐらいの屈辱は味わってもらわないとねぇ…。いいでしょ、若」
「好きにしろ」
「わかりやした」
奴をかつぎ上げ、森末を先頭に瀬名、相須が後に続く。
奴がいなくなってようやく空気が戻る。だが、弾かれたように奏多と暁が駆けていくのを、信洋と共に追いかけた。