私のご主人様Ⅲ
「若、ここちゃんに話してみたら?…警戒の意味も入れてさ」
「…」
信洋の提案に手を握り込む。
巻き込みたくはねぇ。だが、もし、その時が来てしまったら…。
話すべきだ。俺たちの過去を。なぜ、組を捨てたのかを。
抗争が始まることを。
顔を上げる。守るべきものを守るため。今度こそ、失わないために。
ケリをつける。
親父の部屋に向かう。
これからのことを話し合い、夜は更けていった。
季龍side end