私のご主人様Ⅲ

「琴音、ゆっくり飲め」

「…」

あれから2日。何とか顔の麻痺がとれてきて、意思疏通ができるようになった。

お腹が減ってもお水が欲しくても、伝える術がない2日間は恐怖でしかなくて、やっと麻痺がとれて好きなだけご飯もお水も与えてくれる状況に心の底からほっとした。

今も、暁くんに抱っこされてお水を飲ませてもらってる。

恥ずかしいとか思ってる場合じゃないんだろうけど、赤ちゃんみたいな状況に流石に恥ずかしさは消えなかった。

「暁~琴音ちゃん飲めてる?」

「何とか…ってこら!」

「プー」

そおっとストローから口を離してるのがバレて怒られる。だけど、気持ち悪くてなにも口に入れたくない…。

昨日はたくさん食べて飲んでも平気だったのに…。

押し付けられるストローから逃げるように顔を背けようとしてもうまくできなくて結局口に入れられる。

うえ…。
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