私のご主人様Ⅲ

「飲みたくないの?」

「コクコク」

「んー…飴あげる」

「イヤイヤ」

奏多さんは困った顔で、やっぱり飴あげると口の中に放り込まれた。

うう、飴が気持ち悪い…。ぺっと出すと怒られたけどそれどころじゃない。

今すぐ口を洗い流したい。甘いのが気持ち悪い…。

「お、琴音ちゃん大丈夫か?」

「平沢さん、もういいんですか?」

「おー。お前らも一服するなら行ってこい」

「いや、タバコはいいっす」

遠慮した2人に平沢さんは違いねぇと言って、コンビニの袋からアイスを取り出した。

「お前らも食え。琴音ちゃんは何が好きだ?」

「うわっ!溶けますよ」

「だから早く食え」

「なんですかそれっ!琴音ちゃん食べる?」

「イヤイヤ」

「なんだ?遠慮するな」

わしわし頭を撫でられるけど、そうじゃないです。アイス食べたら余計に気持ち悪くなる。

ぐいぐい押し付けるようにアイスを差し出されてイライラし始めた。
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