私のご主人様Ⅲ
「ことねぇ!」
「お嬢、うるさいですよー」
「あ!アイスだ!私も食べるー!」
なんだか賑やかになってきた。梨々香ちゃんと青海さんがやって来て、みんなでアイスを食べはじめる。
いらないと意思表示はしたけど、かき氷みたいなアイスをちょっとだけ口に入れられた。
そうするとやっぱり気持ち悪くなってきて、自分でも青ざめてくるのが分かる。
「“お、お水…”」
「え?お前気持ち悪いのか?」
「コクコク」
「っえ!?琴音ちゃんごめんっ!」
暁くんに飲ませてもらうけど、奏多さんはその間ずっとそわそわしていた。
何とか口の中の甘さが消えてホッとする頃には、なにかを食べさせようとはしてこなかった。
「筋弛緩の毒だったんですよね?副作用が出てるかもしれないですね」
「可能性はあるな…。まだ抜けきってないのも明らかだしな」
平沢さんに頭を撫でられる。体は元気なはずなのに、病人のような扱いに苦笑するしかない。