私のご主人様Ⅲ

初めは笑えなかった梨々香も、少しずつバカなことをするあいつらに笑顔を見せるようになっていった。

俺も、あいつらと組の仕事の一端を担うようになって、日常になっていった。

『うわ、関原組とかマジかよ…。あーあ、手ぇ出すんじゃなかった』

『なに、お前。命狙われてること分かってんのか?』

『あー。俺殺されるの?マジで?』

その仕事の最中に信洋に会った。

組の情報に手を出したことで、抹殺。もしくは誘拐が命じられていた。その仕事を持ったのがたまたま俺だった。

銃持った奴らに囲まれてるのに、顔色1つ変えなかった。口ではやるんじゃなかったとか言いながら、そんなこと全く思ってないような顔で、俺だけを見ていた。

『…命乞いもしねぇのか』

『えー。そんなんかっこわりぃだろ?殺るなら殺れよ』

笑みさえ浮かべやがった信洋に一緒についてきた奴らの方が怯んでやがった。

『…お前がその力を俺のために使うと誓うなら、黙っといてやる』

『え!?』

『誓ってやるよ。よろしく、関原季龍クン?』

まるでその言葉を待っていたかのように、信洋はそれを簡単に受け入れた。
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