私のご主人様Ⅲ
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正式に永塚の若頭となった俺は、関原の名を捨て、永塚季龍と名乗るようになった。
自分の代で組をやめるつもりだったという親父の言う通り、永塚組には若い者はほとんどいなかった。
唯一10代だったのは暁だけだ。
その数日後、信洋が連れてきたのは俺を追いかけて関原組に入った奴らだった。
口々に置いてくなとか、ひでーとか、散々言われたけどな。
俺を理由に関原組に入った奴らの9割が永塚組に入ることになった。
その時からだな。俺が若頭として、こいつらを守んなきゃいけねぇって気付かされたのは。
家族だって思い始めたのもな。
…だからこそ、きっぱり関原と片をつけなきゃなんねぇ。
これからでかい抗争が始まる。お前が毒を盛られたのは奴らの宣戦布告と見て間違いない。
家族を傷つけられて俺たちも黙ってられねぇんだ。
季龍side end